【パンづくり】塩は加えるのはナゼ?どんな種類があるの?【塩の役目】

素材の話

こんにちは、パンダです。

 

料理の味付けに欠かせない、基本調味料「」。

塩は、パンづくりにも必要不可欠な素材のひとつです。

 

塩をパン生地に加えるのは、味付けのためなのはもちろんですが、他にもいろいろな目的があります。

 

そこで今回は、パンづくりに塩がはたす役割や、そもそもの塩の特徴などを調べてシェアしたいと思います。

 

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生地に「塩」を加えるのはなぜ?

 

一般的に、バゲットなどのリーンなパンや食パンの生地には約2%、菓子パン生地には0.8%程度の塩が使われています。

 

パン生地に塩を加えるのは、もちろん「塩味をつけておいしくするため」。

イタリアには、塩の効いた濃い味の料理と合わせて食す“パーネ・トスカーノ”という塩を一切加えないパンがありますが、無塩のパンはそのまま食べると味気ないものです。

 

味付けに加え、生地の物性を変化させて作業しやすくすることも塩を加える目的のひとつ。

塩には、タンパク質の分解酵素の働きを抑制して発酵を適度に調節する働きがあります。さらにグルテンを引き締め、コシを強くする働きがあるため、塩を加えることで生地に弾力が生じ、ガスを保持する力が高まります。

塩を入れ忘れると、だれてベタベタとした生地になりますが、これは塩の「グルテンを引き締める効果」が不足しているからです。

 

また、塩には雑菌の繁殖を防ぐ効果もあるため、長時間発酵の生地も異臭などを発することなく発酵させることができます。

 

 

パンづくりにおける塩の役割

  • 塩味をつけておいしくする
  • グルテンを引き締め、骨格を安定させる。
  • 酵母の働きを抑制し、発酵を調整する。
  • 雑菌の繁殖を防ぐ。

 

 

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塩の原料と製法

 

では、次に塩の原料とその特徴を見てみましょう。

 

まず、塩の原料は「海水」「岩塩」「湖塩」の3種類に大別することができます。

そのほか、特殊な製造法によりつくられる塩に「藻塩」「焼塩」があります。

 

海水塩

 

現在、海水を原料とする塩の生産量は塩全体の約3割。

海水塩は製法により、海水を太陽光と風で乾燥させてつくる「天日塩」と、海水を煮詰めてつくる「煎ごう塩」に分けられます。

雨が多い日本では、太陽光やイオン膜などを利用して塩分濃度の高い“かん水”をつくり、これを煮詰めて乾燥させる塩づくりが主流となっています。

 

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岩塩

 

地殻変動によって塩湖が地中に埋もれ、長い時間をかけて鉱物のように結晶化したものが「岩塩」。

岩塩には、この岩塩層を採掘して粉砕してつくる塩のほか、水を注入して地中の岩塩を溶かし再結晶化させたものも流通しています。

現在、世界の塩の生産量の約6割を岩塩が占めていますが、日本には岩塩層が存在しないため、国内で流通している岩塩はすべてが外国産です。

数億年〜数千年の時間をかけてゆっくり固まった岩塩は塩化ナトリウムの純度が高く、海水塩に比べてしっかりとした塩けがあるのが特徴。塩は本来、無色透明で光の反射により白く見えますが、結晶過程で異物が混入した場合には、赤色や乳白色、黒色などの色がつくことがあります。

 

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湖塩

 

ボリビアのウユニ塩湖のような塩湖で採取された塩や、地中の岩塩が雨や地下水に溶け出して流れ込んだ湖から採取された塩が「湖塩」。現在、塩の生産量の約1割を占めています。

塩湖は、地殻変動によって内陸に閉じ込められた海水が長い年月をかけて凝縮し、塩分濃度が高まった湖です。

 

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藻塩

 

海藻を使ってつくられる塩の総称。食用塩公正競争規約では「海水の中に海藻を浸漬して製塩した塩、または 海藻抽出物、海藻灰抽出物もしくは海藻浸漬にがりを添加してつくった塩」のみ、藻塩と表示できるとされています。

 

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焼塩

 

塩を加熱し、水に溶けやすい塩化マグネシウム(にがり)を溶けにくい塩基性塩化マグネシウムへ変化させた塩。サラサラして固まりにくいのが特徴です。

 

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塩の成分と味わい

 

塩には主たる成分である塩化ナトリウムに加え、微量のカルシウムマグネシウムカリウムなどが含まれています。

 

一般的には、ナトリウムが多いほど塩味が強く、マグネシウム(にがり)が多いものは苦みの強い塩に。カリウムが多い塩は酸味、カルシウムが多い塩は甘みがより強く感じられるとされています。

 

製パンに使用する塩分量では、成分の違いによる風味のが差は少ないと言われています。

しかし最近では、塩の味わいにこだわり、フランス産の岩塩「ゲランド の塩」や国産の天日塩(太陽熱や風力で水分を蒸発させた塩)、「藻塩」などを使ってパンづくりを行うベーカリーも増えています。

 

 

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塩製品の表示義務

 

日本では長らく、塩は専売制で製造、販売が制限されてきましたが、2002年に生産加工、輸入、販売が完全自由化されました。その後、2008年に業界内の有志が食用塩公正取引協議会を設立。公正で正直な情報公開を目的として「食用塩公正競争規約」を定めました。

この規約では、塩製品に原材料名と製造工程を記載することを義務づけ、適性な情報を表示している会員企業の商品には「公正マーク」が付与されています。

また、「天然」「自然」といった誤解をまねく語句や「ミネラルたっぷり」などの表現を商品名や広告に使用することも禁止しています。

さらに、添加物については食品表示基準の規定に準拠。にがりを添加している場合は「粗製海水塩化マグネシウム」と記載され、固結防止剤として塩基性炭酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、炭酸カルシウムなどを使用している商品は、成分名が表示されています。