【ダイフェカーター】「ツオップ」でしか出会えないクリスマスのパン

パンの話

 

クリスマスのお菓子として日本でも人気のシュトレンやパネトーネ。

ヨーロッパには、このほかにもクリスマス時期につくられてきたパン菓子があることをご存知でしょうか?

deivekater(ダイフェカーター )

「悪魔の牡猫」と呼ばれる、このクリスマスのパンはパンの文化史を研究されている舟田詠子さんが一枚の絵からその存在を発見し、その由来や製法を10年以上にわたり研究。

400年前の製法で「ダイフェカーター」をつくり続けているオランダのパン屋さんを突き止め、そのレシピをもとに再現された貴重なパンです。

 

現在は、舟田さんからレシピを伝授された千葉・松戸の人気ベーカリー「パン焼き小屋 ツオップ」さんが、この「ダイフェカーター」をクリスマス時期に期間限定販売しています。

 

日本で「ダイフェカーター」をつくっているパン屋さんはおそらく、、ツオップさんただ1軒。そこで今回は、ツオップさんの「ダイフェカーター」を実際にいただいてレビュー。合わせて、舟田さんと「ダイフェカーター」の出会いのエピソードをご紹介したいと思います。

 

ツオップのオーナーシェフ、伊原靖友さんと「ダイフェカーター」とのご縁については、こちらで伊原さんご自身が紹介されていますので、ご覧ください。

 

 

 

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400年前から伝わるクリスマスのパン「ダイフェカーター」

 

舟田詠子さんが「ダイフェカーター」の存在を知ったのは一枚の絵画がきっかけ。

「製ニコラス祭」を祝う家庭風景を描いた17世紀の絵画に奇妙な形のパンをみつけたことから、名前も由来もわからないパンの研究をはじめられたそうです。

 

 

舟田詠子さのご著書『誰も知らないクリスマス』(朝日新聞社・現在絶版) によると、「ダイフェカーター」は本来1本が2kgもある大きなパンで、その昔、豊穣を祈る儀式で生け贄にされていた猫をかたどったもの。両端をくるんと巻いた形は猫のすねの骨をイメージしたものなのだそう。

 

「ダイフェカーター」をつくるパン店は、今ではヨーロッパにもほとんど残っていないようで、舟田さんはオランダで唯一、400年前から伝わる製法で「ダイフェカーター」をつくり続けてきたパン店を1998年に突き止め、レシピを知ることができたといいます。

 

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「ダイフェカーター」はレモンが香るやさしい味わい

 

舟田さんが突き止めた「ダイフェカーター」のレシピをもとに、400年前から伝わるクリスマスのパンを毎年、期間限定で販売している「パン焼き小屋 ツオップ」さん。

 

「ツオップ」さんの「ダイフェカーター」の材料は、小麦粉、牛乳、きび砂糖、バター、天日塩、レモン、パン酵母、卵、レモンオイル

 

外側はなめし革のような色合いで一見、固そうですが、皮の部分はごくごく薄く中はきれいなクリーム色。お店おすすめの食べ方のとおり、薄くスライスして紅茶と一緒にいただきます。

 

 

一口食べるとレモンの香りがふんわり広がり、バターのこくとほのかな塩けがあとから追いかけてきます。食感はケイクのようだけれど、やっぱりパン。目の詰まったブリオッシュという印象です。

口の中で優しく溶けて、最後にもういちどレモンが香る、繊細な風味の「ダイフェカーター」。昔のヨーロッパの人たちは、どんなふうに楽しんでいたのでしょう。

 

400年の時を超え、日本で再現されたクリスマスのパン「ダイフェカーター」。今年を振り返り、来年がよい年になるように願いながら、やさしく繊細な味わいを楽しみたいと思います。

 

 

「ツオップ」さんの「ダイフェカーター」はエイジレス入りで3週間ほど常温保存が可能。スライスして冷凍・自然解凍すればさらに長期間、おいしく味わうことができます。

zopf|パン焼き小屋 ツオップ

 

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